“指導”と“体罰”の境界線

先日のこと。
息子が珍しく真剣な様子でとーさんかーんさんに所属するサッカークラブでのできごとについて相談してきました。

新しいコーチに殴られる、と。

自分だけじゃない、特定の数人が殴られる、監督に伝えてほしい、といった話でした。

事の顛末を記してみたいと思います。

事の経緯

元々、息子のチームは、サッカークラブの中でも優しい部類に入る方の指導方針。

白熱して声を荒げて叱られることが全くないわけではないですが、それもまぁ年に数回レベル。
手をあげられたり、道具を投げられたり、なんてことはもうもってのほか、といった雰囲気でした。

指導自体も、監督を筆頭にトップコーチ、第二コーチは年配の方なのですが、
小さい学年には卒団生の大学生コーチたちが学年ごとについてくれ、子どもたちも大きいお兄さん感覚でなついています。

息子は今は5年生ですので、メインコーチが大学生コーチというわけにはいかないんですが、
元々低学年の頃は、例に漏れず大学生コーチがついてくれていました。
こどもたちとの相性も大変よく、みんな楽しんでサッカーをしていました。

しかし、息子たちの学年も上がり、コーチも進級で、就職活動を迎えます。
息子たちが4年に進級したタイミングで、この大学生コーチが去ることとなりました。

本来でしたら4年生はまだ大学生コーチが担当する学年なのですが、
たまたま息子の学年は例年になく人数の多い学年であることと、なにより、ちょっと期待の学年だっだのです。
人数が多い分、熾烈なレギュラー争いが日々行われていて、やはり他学年と比べて少し期待するところがあったようです。

そのため、当時の5・6年生をセットでトップコーチが担当し、4年生は第二コーチが担当する、という形が取られていました。

しかしこうなると、試合のやりくりが大変です。
ほとんどの練習試合では交互審判で審判を出さないといけないのですが、審判はちゃんと審判講習を受けて基準を満たした服装を揃えて審判しなきゃいけないので、
ほとんどのチームは、コーチが複数人帯同し、審判も務めます。
ですが息子のチーム情勢だと、審判が出せないため、
前後の学年と日程が被ってしまうと、条件のいい招待試合なんかもお断りしないといけない事態が続きました。

それを見かねた息子の学年のパパさん数人が、自費で審判講習を受け、自分たちで審判ができる状態をつくり、招待試合を受けてやってほしい、と訴えてくださりました。
本当に頭が下がります・・・

それで試合はたくさん参加できるようになったのですが。

やはりたくさん試合に出始めると、欲も出てきます。
気づけば、今年の5年生の平日練習日が、例年の5・6年生よりも遥かに多く設定されている・・・

そこで今度は平日の指導に困るようになったんですね。

そして2か月ほど前、どこからか、5年生の平日練習メインのコーチを見つけてきたようです。

このコーチが、息子の言う「新しいコーチ」なんですが・・・

トップコーチ、第二コーチと同年代の感じの少し年配の方で、
流れてくる情報としては、とある有名プロチームでジュニアユースを指導されていた経験もあるとかで・・・
条件的には、あぁ、やっぱり5年生に期待してんだね、と思ってしまうようなコーチだったんです。

ところがですね、当初から、子どもたちとの相性は最悪でした。

まずもう練習が楽しくない、と。

息子のチームって、おとなしいんですね。
もちろん、スポーツですので声を出してプレーすることが大事なのは理解しているのですが、
個性っていうのもあるじゃないですか。
息子の学年では、たまたま、上位3番手に来るような子たちが、キャラ的に声を出して引っぱっていくタイプではないんですね。
特に1番手の子は、黙って俺についてこいタイプで、本当に口数も少ないのにチーム全員が信頼して慕っている謎のタイプ。
一方、形式としてはキャプテンを任されている子は、声は出るのですが、プレーとしては上位番手ではなく、試合に出る出ない関わらず、チーム全体としてのキャプテン、といった役割で、これはこれで、上手くいっていたんですね。

ところが新しいコーチはこのスタイルは気にくわなかったようで・・・

キャプテン=1番手で声を張って引っ張る

でないといけなかったようで、とにかく声を出すまでボールすら与えないんですね。
でも声が出るのは下位番手の子、といった具合で、練習自体がおかしくなっちゃったんです。

子どもたちはそんな感じで不満たらたらだったわけですが、大人たちはなんとかなだめて練習に行かせてたんですね、各家庭。
でも、子どもたちは知らないのですが、実は大人たちも、不審に思っていたんです、当初から。

きっかけは、給水でした。
平日練習日に、ぜんぜん給水ボトルが減らずに帰ってくるんです。
そこで確認したら、休憩・給水時間を一切設けておらず、それどころか、このご時世になんと、給水を禁じていたのです・・・

また、喫煙の問題がありました。
小学校のグラウンドを借りて練習していますので、校舎内外禁煙です。
ところが、練習中に抜け出しては、門の一歩外で喫煙するのです(子どもの給水は禁じるくせに・・・)。
これでは5年生どころか、クラブ全体がグラウンドを貸してもらえなくなります。

上記2点については早々に監督まで相談された親御さんがおられたようで解決されたのですが、問題はそこからでした。

ぽつぽつと、今日誰が殴られた、今日は誰が殴られた、と報告してくるようになったのです。

事の実態

息子が主張する話としては以下のようでした。

まず、殴られるメンバーはある程度決まっている。
そのメンバーを聞くと、どうも、ちょっと全体への見せしめ的な部分もあるかな、と感じるメンバーでした。
レギュラー陣の、中でも上位番手に行くほど頻度が上がる、しかし本人がしっかりしていて親や他の大人に話したときにも「子どものたわごと」で済まされない雰囲気の子には一切手をあげない。

そして、他の大人の目があるときには行われない。

そして最大の問題は、子どもたちが言う、「殴る」の表現でした。
いわゆる昔の部活世代の私たちが思う「殴る」って、もうほんとにボカっと殴る、感じなのですが、
現代の世の中で育ってきた子どもたちの表現する「殴る」って、また尺度が違うというか。

「はたく」「しばく」に近いんです。
決してけがはしない、指摘されても「ちょっといきすぎた」指導でしたすみません、で終われそうな程度。
殴る、以外にも、蹴る、踏む、もあったのですが、
例えば柔軟体操時に固いと言って上から踏みつける、といった、
なんかうまい具合に逃げられそうなラインなんです・・・

旦那とこれは困ったぞ、となりました。
まずは、証拠がない。
この感じなんで決してけがをするレベルではないんですね。
もちろんけがなんかするようなことはあってはいけないのですが、
訴えていくには証拠がなさすぎて・・・

そして、この件についてホントに他の子たちにも行われているのか、私たち自身が確認できていませんでした。
殴られる、という訴えを他の親御さんから聞いたことがなかったため、
息子の話で名前がでてきている親御さんにちょっと次の試合で話を聞いてみてから対応する、と息子には答えました。
また、こういったタイプの指導者は、もし証拠をつきつけても、このレベルの暴力では一旦「すみませんでした」と済ませておいて、
サッカーの指導面で冷遇してくる可能性があることも息子に話して、
とりあえずはまずは情報収集・証拠集めの時間が欲しい、その間も、お父さんお母さんは何もしてくれないと思わず、どんどん殴られたなどの話はしてほしい、
必ず保護者間で話し合って一番うまく対応できる方法を探すから、申し訳ないけど少しだけ我慢してほしい、と伝えました。

そして先週土曜日、その「次親御さんに会う機会」が訪れたのですが・・・

朝から豪雨で結構されていて、話す時間もないまま、結局雷で途中中止となり、
そんな話もできないまんまとなってしまいました。

そして翌日曜、休日の長時間練習時のみ親で順番で当番が回るのですが、たまたま、その当番が我が家だったため、
よし、どんなコーチがみてやるぞ、と意気込んで出かけたのですが・・・

事態が動く

いざ当番に行ってみると、休日だというのに、5年生しかいないんです。
あれ?ほかの学年は??と思いながらもコーチにあいさつに向かうと、
トップコーチと、そしてなんと、昔担当してくれていた大学生コーチがいたんですね。
どうされたんですか!とびっくりしていたら、
「就職されて生活も落ち着いたので、正式にこの子たちの学年のコーチとして復帰してもらうことになったんですよー」とトップコーチ。
おおー!そりゃいい!子どもたちも大好きなコーチだし、男前だし!
なんて思ってましたが、
ちょっと経ってから、あれ?じゃあの殴るコーチはどーなるんだね??と疑問が。
しかも思えばそのコーチが今日はいないね、なんてのんきに考えてました。

そしてアップが始まり、ひとしきり体操などが終わったあと、
なにやらトップコーチが珍しく真剣な顔で子どもたちになにか問いかけています。

傍でみていた私のところにまで内容は聞こえてこないのですが、
あんな真剣になに話てるんだろう珍しいなー、と思っていました。
するとそのうち、コーチの何かしらの問いかけに対して、子どもたちがパラパラと手を挙げています。
5年生全体の、約8割くらいの子が、手を挙げていました。

遠くから、「あれ、なんの挙手だ??」と疑問に思いながらも、
とにかく全く話の内容が聞こえないため、ま、後で息子に聞くかーくらいで流していたのですが。

数分後、監督登場。

監督ってのが、今は現役での指導は引退されていて、めったに姿を現さないんですね。レアキャラ。
それも、こんな、5年生だけの練習に来るなんて。
イケメンコーチが復帰第一日目だからか??
と思ってたら、あいさつもそこそこに、
トップコーチとひそひそ話始めます。サッカーも観ずに。

なんなんだ、今日は・・・

と思いながら無事当番を終え、
練習後もまだグラウンドでサッカーやっている子どもたちを尻目に退散した母。

そして帰宅後、すっかり上記のできごとを忘れていたのです。

そして息子帰宅後の夕食時。

「お母さん!とうとう、暴力がトップコーチの耳に入ったよ!!」
というのです。

なんと、あの挙手していた場面が、それだったそうなんです。
とあることで5年生練習のときに、暴力があると耳にしたが、受けたことがある人は手を挙げて、だったそうなのですが・・・

え、だとしたら、私が思ってたよりも大人数が受けてない・・・?!

どうも、息子はレギュラー練習時の、レギュラー陣で受けてた場面しか見えていなかったんですね。
実際は、8割ほどの子が手を挙げていましたので、それはそれでさらにショックでした・・・
だとしたら、これホントに思ったよりひどかったんじゃないか、と息子に申し訳ないことをしたなと思います。

監督も、その結果を聞きに来られたと思われます。
詳細はわかりませんが、休日にわざわざ5年生だけ集めてきちんと聞いた点、
監督まで来た点、急なイケメンコーチの復帰、
子どもが訴えただけでここまで事態が動くとも思えず、
どなたかの親御さんがきちんと訴えられたのではないでしょうか。

ここまでの流れを監督たちが把握した上で、
今後どのように流れが変わるのかはまだアナウンスもなく不明なのですが、
子どもたちには今後は安心してできるようにしていく旨のお話しをトップコーチがされてるようで、
実際それが聞けて息子も嬉しそうにしていました。

今回は、まだ大きなけがなどに繋がらずに対応頂けそうですが、
スポーツの指導の現場では、このような事態が起こっていることも少なからずあるのではないでしょうか。

今回旦那とも話したのですが、
本当にいけないことなんですが、私たち親の部活世代が受けてきた指導、があるために、今回の息子の訴えについても、
「もちろんダメなんだけども、そういうやつもおるんよ」と言ってしまいそうになっていました。
反省、大反省です。

ケガや思わぬ事故が起こってからでは遅いですね。

いろいろと親としても考えさせられる日々です・・・



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