このまま君だけを奪い去りたい

「〇〇〇ができたら、△△△をあげる。」

お子さんと接する中で、上記のセリフを口にされたことのある親御さん、多いと思うんです。

これが必ずしも最良の方法ではないことは頭ではわかってはいますが、ついつい言っちゃうんですよね・・・

いわゆる、「報酬」「ごほうび」です。

今日はこの「ごほうび」の在り方について、最近とても考えさせられた事象がありましたのでお話ししてみようかと思います。

大人の“ごぼうび”

大人の世界での「ごぼうび」といえば、

「報酬」ですよね。

働いた分だけお給料を受け取る。
発揮した成果に応じて相応の対価を受け取る。

親である大人たちの生活の、基盤となる部分にこの「報酬」がどでーんと存在しています。
そして大人たちはこれがモチベーションとなり、目的や目標を達成しようとするパワーの源になっている、と信じています。

まるで、馬の前に人参をぶら下げるかのように、
目の前の報酬へ向かって走るのです。

“問題集システム”

さて、ここからは、上記のごほうび制度を採用していた我が家で起こった、とある事件についてお話ししようかと思います。

息子はサッカーチームに所属していますので、練習日には学校から帰宅したらすぐに練習に出かけてしまいます。
夏場などは、ボールが見えなくなるまで練習し、帰宅時間は19:30頃となります。
練習のない日には、学校のお友達と遊びたい。
みんなより遊べる機会が少ない分、練習がない日は必ず、遊んでおきたい。
結果、また
「さっき帰宅したと思ったのに振り返るとランドセルだけ落ちてる」状態です。

さぁ、どうしましょうね、宿題。
帰宅してから取り掛かるしかないですよね。
さらに息子の学校では、「自主学習」という制度がありまして、
「宿題 + 自主学習(学年×10分)」までが翌日提出分なのです。

上記さえやっていればいい、

わけないですよねー!
もう5年生、みんなお塾やら家庭教師やらつけながら必死にやっているんです。
その中で「サッカーをやりたいから塾には行かない!」宣言をしている息子。
そりゃ条件をつけちゃいます。
親子で話し合い、定めたラインより成績が下がったときは、即、入塾。
サッカーで遠征や試合などあらかじめ週末休日が潰れる予定が入っているときには、そこまでで宿題を終えていない限り絶対に行かせない。

そんな状態なのにもかかわらずですよ、
さらに、したいんですよ・・・・

ゲーム。

これに、プラス、ゲームの時間を欲するわけです。
宿題や成績の対価は、すでにサッカーと紐づけてしまっています。
そこで私たち両親が考え出したのが、
「問題集システム」です。

用意した問題集の、「1ページにつき10分」と設定します。
1ページやったら、10分ゲームができる。
ただしこれだと適当にやっちゃうので、
「1問間違えるごとに1分ずつマイナス」していきます。
お直しで再度間違えてきた場合は、そのページ全体の10分が無きものとなります。

やればやっただけ、ゲームをする時間も獲得できる。
この方法で、ゲーム感覚で楽しんで問題集にも取り組み、自らの手で獲得した時間でゲームをする、ことに意欲的に取り組むようになったように思えました。

・・・・あるときまでは。

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予想の斜め上・・・

かわいいかわいい、まだまだ子どもだ、と思っていた息子も、
ちゃんと世間に揉まれて知恵をつけていたのですね・・・

ある時、息子が寝たあと、とーさんがふと息子の机のそばを通りかかったとき、
机の上でチカチカと光っているランプを見つけました。
それは、勉強机の上にあるはずのない、ゲーム機。チカチカしていたのはその電源ランプ。
詰めの甘い息子は、最大の証拠をよりにもよって隠し忘れていたんです・・・

なんでこんなところにゲーム機が、と片付けようとしたとーさんの目に映ったもの、それは、
「問題集の解答を何ページ分も撮影した画像ファイル」
だったのです・・・

解答部分だけあらかじめ切り取って私の手元においてはいたのですが、
提出してきたときにはそこから取り出して丸付けをしてるのは知っている息子。
留守番しているときなどを見計らい、どんどんどんどん、ゲーム機でその解答を撮影していたのです・・・!

結局このときは、親がふたりともこの事実を知っていることにすると、2人して叱らないわけにはいかなくなり、
3人家族の我が家の中では息子の逃げ場がなくなる、ということで、
キャラ的に「ド真面目とーさん」「ちゃらんぽらんかーさん」で定着しているので、息子的にもとーさんにバレることのほうがヤバいだろう、と、
今回は、「かーさんが気づいた、とーさんには黙っておいてやるが、お前わかってんだろーな・・・」で叱ることにしました。
(ちなみにこちら半年前の事件ですが、息子、いまだにとーさんは知らないと思ってます・・・)

新たに採用された、“チャレンジシステム”

さて、上記「問題集システム」がうまく機能しなかったためお流れになっていた我が家。
ゲームに関してもなんだかんだうやむやになったまま、
とりあえず、時間を決めてやる、くらいでいいも悪いもお互いスルーしてしまうようになっていました。

そんな折。
私がふと、何かの記事か情報番組か忘れましたが、とある情報にふれたことがありました。

それは、特に子どもの教育に関してのみではなく、大人であっても該当する話だったのですが、
人間というのは、本能的に「何かを獲得するため」に行動するよりも、「何かを失わないため」に行動するほうが力を発揮する、というものでした。
手にしたことのないなにか、のために頑張ることよりも、
今手元にあるなにかを失う恐怖を避ける力のほうが大きいのだそうです。

これから考えると、報酬というのも、
本来は「〇〇ができたら△△を与える」ではなく、
「△△を与えておくので〇〇をクリアしてくれ、クリアできなかったら△△を返却すること」
のほうが理想だ、とのことでした。

ここでひとつ興味を惹かれたのが、その与えられる報酬、が
本人が切望しているものでなくてもいい、という点です。
本人が欲しがっているものを奪われるのが怖いから頑張る、のは当たり前のように思えますが、
本人的には特にありがたいものでなくても、一度手にしたものを失う恐怖が働いて力を発揮する、というのです。
重要なのは、なんでもいいので一度完全に与えてしまう、完全に自由にできる期間を設け、それを、クリアできなかったときには奪う、ということでした。

これは試してみて損はないぞ・・・!と感じた私は、さっそく、息子に数百円のとあるミニカーを与えました。
ある車のアニメ好きの息子は、そのアニメに登場するTV版のミニカーはすでに持っています。
今回、ちょっとだけ仕様の異なる、映画版のものを、欲しがってもいないのに与えてみたのです。

ミニカーを与え、条件を説明した際、正直、
「ほんとにこれうまくいくかな・・・」といった感触でした。
まず、ほんとに、大して喜んでいなかったんですね、ミニカー。
しかも、条件を説明しても、
「ダメなら返せばいいだけよね?」とのたまっていましたし・・・

今回与えたミッションは、
「10日間でリフティングが100回できるようになること」
でした。
実はこの時点で息子、リフティングを2年ほど練習してきていたのに、30回できるかできないか、の超ドへたくそだったんです・・・
それを「10日で100回」とまぁ、無謀とも思える設定。
しかもその10日の間はすべて学校練習試合とスケジュールも埋まっていて、専用練習時間なども取れる状態にもありませんでした。

そして迎えた9日後。

期限まであと1日残っているが、土手に連れて行ってほしい、クリアできるか確認してほしい、と言い出しました。

あれ?自分から見てくれと、それも期限前に言ってきたな・・・と戸惑いつつ、要望どおり土手に連れていたのですが・・・

114回。

9日前、30回できるかできないかだった子が、114回!!

クリアしたんですね、見事に。
いや、正直、ホントに驚きました。まさかできると思っていなかったので・・・(失礼な話ですが(笑))

そしてさらに驚いたのが、
これで完全にミニカーが自分のものになったわけですが、始めは大した感動もなく受け取ったくせに、
驚くほど大事にしたんですね、そのミニカーを。
「自分がリフティング100回超えたときのミニカーだ」って。

これは!これはまぐれなのかなんなのか!
はっきりさせるために、もう一度、仕掛けてみたのです・・・

“チャレンジシステム”、その実力は・・・

息子はこのシステムのことを自ら「チャレンジシステム」と呼ぶようになりました。

2回目のチャレンジシステムの条件は以下です。
・カンニング問題以降手つかずで放置していた問題集をすべて終わらせる(約60ページ分)
・リフティング200回
期限は約20日。
両方クリアしないと回収。
今回の報酬はスポーツウオッチ(1000円程度)

今回は、一度チャレンジ達成した経験があっとことと、本人が希望した報酬であることもあり、意欲も前回チャレンジ前よりも感じられました。
が、スケジュール的には前回同様厳しいものでした。

問題集のほうは、おのれのペース配分の問題なのでなんとかなるだろうとは思っていましたが、
問題はリフティングです。
こちらはどうあがいてもできないものはできないでしょうから・・・

で今回もまた、期限1日前に、問題はクリア、土手に、と言われました。

実は前回チャレンジの際、とーさんはそのクリアした現場にいなかったんですね。
なので、とーさんの中に残っている光景は、「30回前後しかできない息子」の姿なんです。
口頭で「できた」と耳にしているだけで、イメージは前のまんま、200回チャレンジを迎えたわけです。

結果は、

204回

泣きそうになってました、とーさん(笑)

チャレンジシステムで得られたもの

このチャレンジシステムにて息子が手に入れた現段階のステータスは、
「問題集のクリア」と「リフティング200回超え」です。

しかし、それ以上に息子が手にした実感は、
「チャレンジシステムで挑戦したことは、叶えられるんだ!」という自信です。

次回のチャレンジシステムはどうするのか、ここ連日、自ら聞いてくるんです。

また、リフティング200回というのは、単に回数を伸ばした、技術を伸ばしたということでは終わりませんでした。

よく、
「サッカーのうまさはリフティングの回数と比例する」と言われます。
これは、リフティングできる子が技術的に優れているよ、という単純な話ではないんです。

リフティングを200回も続けようと思えば、どんなうまい子でも最低10回は、危うい場面を迎えます。そのたびに、リカバリーしながら軌道修正し、落とさないように続けていく。
その技術が身に着いた、ということを、「実体験する」のです。

リカバリーできるということは、試合の中でも「チャレンジできる」ということです。
チャレンジしてみて、だめでも、自分で取り返すことができる、その自信を持っている。
これは、とてつもなく大きなことです。

実際、200回達成以降の息子のチーム内での伸び率というのが、
それはもうものすごくて、コーチが目を見張るほどでした。

息子がチャレンジシステムを達成するたびに手に入れているもの、
それは報酬のみでなく、
「新たな次のステップへのチャレンジ精神」なのだなと感じています。

さーて、ほんと次のチャレンジはなんにしようかな・・・(笑)

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