プロの仕事に触れるということ

我が家の小5男子は、小2のころから地元のサッカークラブに所属して日々練習に励んでいます。
我が家では、親族含め誰もサッカー経験がありません。
息子の育ってきた環境にそんなにサッカーが大きくあったわけではないはずなのに、幼稚園の頃から、サッカーがしたいサッカーをやらせてくれ、と言い続けていました。

そうして始めた、少年サッカー。
始めて2年は、「この子なんでサッカーやってんだろう・・・」と親の私たちが戸惑うほどの、ど・下手。ぜーんぜん上達しないし。
でも練習も休まない、どんなにできなくても、サッカー楽しい、大好き。

それが、去年の夏休み明けから、少しずつ、なにかこれまでとは違う、「好き」や「楽しい」だけではない、「上手くなってもっと楽しみたい」という姿勢が見えてくるようになりました。

私の中で、そうなったきっかけのひとつかなー、と思いあたる出来事があります。
息子にとってとても素敵な出来事だったかなーと思うので、記しておきたいと思います。

我が家とJリーグ

我が家の住む愛媛県には、J2の「愛媛FC」と、JFLの「FC今治」というチームがあります。

愛媛FCについては、地元の幼稚園保育園や学校を回って一緒にサッカーしてくれたり、ホームタウンデーでは、その日指定の県内市町村住民は割引で観戦できたりするので、割と身近な存在。
うちの息子が自主練してるグラウンドから愛媛FCのホームスタジアムが見え、放送まで聞こえてしまうので、練習しているその足で、観に行く!!とねだられ観にいったことも。
地元の小学生なら、「スマイルパスポート」に登録しておけばいつでもホームゲームの観戦は無料です。(席は決まったところにしか入れませんが。しかも、無料は本人のみで、付き添う大人はお金要りますが・・・←これも、引率何人までなら大人1人は半額くらいにしてくれたもっといくのになー)

FC今治については、元日本代表監督の岡田武史さんがオーナーさんです。
先日の西日本豪雨の際には、岡田さん自ら選手たちを率いて即被災地入りし、泥まみれになって実地で支援されていました。
我が家は松山に住んでいるので、なかなか今治まで観に行く機会がなく、まだ観戦したことはないんです。
今年から、元日本代表の駒野選手が入団されたので、息子のポジションもSBだし、これは観に行くしかないな、と企んでいるのですが。

しかし息子本人も高学年になり、練習や試合も増えてきて、近辺での試合観戦にすらなかなか行けなくなってきているのも事実。
曲がりなりにもレギュラーでやらせてもらって、試合でも使ってもらって、ようやく、個人技だけでなくチームとしての動きや、サッカーのおもしろさがわかってきているような感じなんですが、なかなかタイミングが合いませんね。

ロシアワールドカップ2018

愛媛に住んでいると、なかなかパッとJ1の試合を観る機会がありません。日本代表戦も、ふらっと行ける距離で開催されることもありません。
J2リーグの選手のプレーを観ることはできても、今J1で、代表で、活躍されている選手たちのプレーを直に観る、ということは、結構ハードルの高いことなのです。

そんな子どもたちにとっては、昨年夏に開催されたロシアW杯は、夢のような毎日だったんじゃないでしょうか。
連日、世界最高峰の戦いが観られる。
日本も、直前までの重い空気を断ち切り、決勝リーグまで進みました。
普段なかなか見ることのできない代表戦を、連日、ニュースを含め目にすることができました。
うちの息子も、深夜や早朝の時間帯でも、それに合わせて早く寝てまた起きてきて観戦する、そんな毎日でした。

このロシアWカップ、ベスト16でベルギーと対戦し、最後にまさかの逆転で敗退したのは記憶に鮮烈に残っていますが、
このベルギー戦、日本が先制していました。乾選手と原口選手のゴールで。

特に、乾選手のゴールでは、これは日本は初めてベスト8に進めるんじゃないか、と期待を抱いた方も多かったのではないでしょうか。
皆さんの記憶に残るゴールだったように思います。

私もサッカーに詳しくないので、乾選手のゴールシーンでは、乾選手のプレーにばっかり目がいっていました。あれは「乾選手のゴール」として捉えていたと思います。

でも、サッカーをしている息子の意見は違いました。
あれは、「香川選手のゴールみたいなもんだ」って言うんです。

実際のプレーでは、フィニッシュのゴールシーンが花形で、ゴールを決めた選手が印象に残ります。実際に、乾選手のシュートが素晴らしかったから決まったわけなんですけど。
それでも、プレーには、フィニッシュがあれば、スタートがあります。
ひとつのプレーの流れには、起点があり、繋ぐ点があり、終点があります。
このプレーでは、まずは柴崎選手から大きなクロスがゴール前に向かって上がります。
それを香川選手がトラップで収め、乾選手の前にボールを置いていきます。
それを、乾選手が決めた、という流れです。

息子は、この中の、香川選手のプレーがすごかったんだ、と、ゴールが決まった直後から連呼していました。
あんなプレーがしたい、あれができるようになりたい!と。

それからです。
毎日毎日、日が暮れるまで、日が暮れてもなお、
香川選手のプレーをまねて、
大きく蹴り上げたボールをいかにトラップするか、上手にリフティングするか、
繰り返し繰り返し練習するようになりました。
なんど、「もう帰ろうよー」と声をかけたか。
本当にボールが見えなくなってしまうまで、真っ暗になるまで、この練習を連日続けていました。

そんな姿を目にしながら過ごした1週間後、思わぬ情報が我が家にもたらされたのです。

Sinji Dream Project

ベルギー戦の数日後、日本代表選手たちが帰国しました。
海外チームに所属する選手たちも、そのまま束の間のオフを日本で過ごされていたようです。

代表選手たちが帰国した夜から、西日本では豪雨が続いていました。
ここ愛媛でも、甚大な被害がでました。

日本代表の長友選手は、愛媛県出身の選手です。
このタイミングで日本におられた長友選手が、すぐに被災地の小学校を訪問されて、サインをもらおうと長い列を作っている子どもたちに、最後の子まで丁寧に接しておられた姿が地元のニュースでも流れていました。

松山でも海沿いの地区では大きな被害が出ていましたが、内陸部の我が家は幸いにも被害がありませんでした。
こういった事態の時は、もちろん直にすぐにお手伝いにいける立場であればそうするのが一番ですが、私なりに考えたことは、子どもも抱えて直ぐには何もお手伝いができない代わりに、被災地の近くにいるからこそ、普通に生活できる状態にある人は、努めて普通に生活することこそが、今できる一番のことかと思い行動していました。
少なくとも私たちが普通に日常を送ることで、行政の支援なども、物流なども、被災地に集中できると感じたのです。

そうやって過ごしていた一週間の中で我が家に飛び込んできた情報、それは、
「急遽、大阪で香川選手主催の西日本豪雨チャリティーイベントが開催される」
というものでした。

ホントに急遽企画されたもののようで、発表自体、イベント当日の数日前でした。

そのイベントが開催されたのが、息子の夏休みの初日にあたる土曜日。
大阪の長居スタジアムで行われるとのことでした。
急遽開催で会場を押さえるのも大変だったのか、夜にセレッソのU-19チームの試合があるために日中開いていたところを押さえられたようです。
時間も13-15時予定となっていました。

これなら我が家からも日帰りで行けるんじゃないか、
今これだけ香川選手のプレーに触発され、そのプレーをまねてこれだけ練習している、今、
目の前でその選手のプレーを生で見せてやれるかもしれない、
と旦那と話し合い、急でしたが連れて行くことにしました。

当日はまず香川選手と一緒に低学年の子どもたちがプレーしました。
当時小4の息子はその場には入れませんでしたが、
スタンドから観戦することはできたため、スタンド最前列から、ずーっと、その姿を見ていました。

実は、チームメイトの子も一人連れて行ったのですが、
その子と二人で、小さな声で「いいなぁ、いいなぁ」と呟きながら、
ずーっと、一心に香川選手のプレーに見入っていました。

その後、香川選手によるトークショーと、チャリティーグッズの抽選会が開かれました。
実はこの日、もんのすごい猛暑日で、スタンドから携帯で写真を撮ろうとしても、温度計マークみたいなのが表示され、暑さでなかなか使えなかったくらいなんです。

そんな中で開かれたトークショー、行き帰りの車の中であれだけ暴れまわってた男児たちが、ピクリともせず、ずーっと、立って、香川選手のお話しを聞いていました。

そしてこのあと、チャリティーグッズの抽選があり、入り口で募金したときに渡されるリストバンドの番号で抽選が行われた後、すべて香川選手から提供された直筆サイン入りのグッズがあたる、かも、とのことでした。

こういう抽選って、まぁ、当たった試しがなかったので、
子どもたちには、当たるといいねぇー!なんて言ってはいましたが、
生で見れてお話し聞けただけで大満足してました。

・・・・が、なんと。

Sinjiが我が家にやってきた

抽選結果は、帰りに当選番号がボードに記載されたものが掲示されていて、もし当たっていたら引き換えて帰る、というものでした。

確率的にまぁ難しいだろうけども、一応、ってことで、
私と子どもたちは簡易クーラーの前で涼んでるのでとーさん携帯でボード撮ってきて、ととーさんだけ送り出しました。

するとですね。

戻ってきたとーさんが、
「かーさん、ちょっと。」
と私だけ呼び出します。

は!まさか当たったわけ?!と勘づいたんですが、
こうなると、誰が当たったか、が大問題です。
子どもたちのどちらか一方なら、それが運、で納得もいくでしょうけど、
旦那か私のどちらかだと、自分で持っておくわけにはいかん、
でもどっちの子にあげる・・・と、大問題勃発です。

するととーさんの口から予想外の一言が。

「4人中の、2人当たってる」

2人!誰?!
と確認してみると、
うちの息子と、とーさんでした。
なのでとーさんも、
さすがにこれは、チームメイトの子にあげてもいいよね?
と、なんと、子どもたち2人ともそれぞれに直筆サイン入りグッズを手にしたのです。

まず、チームメイトの子が引換所から満面の笑顔で帰ってきました。

いいやんいいやん!よかったやん!!
ということで、うちの息子にはなにが当たったのかね・・・
と待っていると、

ちょっと何やらバカでかいものを抱えて戻ってきます。

なんと、

なんだろう!なんだろうこれ!!

後ろにいた大阪のおねーちゃんたちにもいじられまくりです。
ええの当たったやん!!撮らせて撮らせて!!と思わぬ大人気。

今でも大事に、ちゃんとUVカットの額縁にいれて(親はサインが大事)息子の部屋に、います。

たまに、視線感じる・・・と思って振り返ると、います、香川選手が(笑)

日本代表選手の力

実は、このイベントがきっかけで、単にサッカーが楽しい!サッカーが好きだ!少年から、もっとうまくなりたい、うまくなって、もっとサッカーを楽しみたい、という姿勢に変化したように感じます。

なんの分野でも、「日本代表」に選ばれる人たちは、その分野のトップクラスの人たちです。
サッカーであれば、サッカーが日本で両指に入るレベルの上手い人たち。

でも「日本代表選手」という役割は、それだけではない、ということを感じました。

サッカーが上手ければ、代表戦でいいプレーさえできれば、それでいいのか。

一流の選手と呼ばれる人たちには、その役割が、とてもよくおわかりになっている方が多いように思います。

香川選手も、ご自身が子どものころに、阪神大震災で被災され、ご自身の小学校にカズ選手が訪問されたそうです。
そのときの思いが、このような選手を作っていったんだなぁと感じました。

プロにしか見せられないこと、プロにしか見せられない姿。
かっこいいところだけじゃない、うまくいかないときもある、苦しいときもある。
それでも、子どもたちがこんな選手になりたい、と笑顔で憧れる、そういう選手が日本代表チームにもたくさんおられます。

息子はいまでも、練習に向かうときに、香川選手のパネルに向かって「いってきまーす!!」とか言ってたりします。
あの子の中で、ひとつの支えになっているのかもしれません。
でかいし、あのパネル(笑)モチベーションが保てているのかもしれないですね。

ありがとう、香川選手。

人気ブログランキング
ブロトピ
スポンサーリンク
スポンサーリンク
スポンサーリンク

シェアする

フォローする

スポンサーリンク
スポンサーリンク